トヨタ自動車は今月4日にマツダとの事業・資本提携を発表した

トヨタ自動車は今月4日にマツダとの事業・資本提携を発表した。業務提携は、米国での合弁生産工場の設立、電気自動車(EV)とコネクティッド(つながる)技術の共同開発、先進安全分野における技術連携、商品補完の拡充推進の5つの分野に及ぶ。なかでも、米国合弁生産工場とEV共同技術開発の2つが重要な意味を持つ。

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 両社は2015年に技術包括提携を表明済みであったが、この具体化は期待した通りに進展していたとはいえない。むしろ、16年に提携交渉入りを発表したトヨタとスズキの事業・資本提携の正式発表が先を越すのではないかと考えていたところへの、電撃的な進展であった。

 スズキとの提携を飛び越えて、マツダとの提携へトヨタを突き動かした要因は2つある。第1に、トランプ米政権に端を発した世界的な保護貿易主義への潮流だ。トヨタマツダは、結びつきを強める意義を強く認識したと考えられる。強まる米国生産増強への圧力に対応し、適切な現地生産の構造を再考した結果である。コスト競争力だけを意識した工場立地の判断はリスクが高く、「米国で売られているクルマは米国で造るべきだ」という意識で両社の利害が一致したと考える。

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 第2に、欧州を中心に急加速した、内燃機関への圧力とEVを中心に電動車両への構造転換への流れだ。さまざまな電動化パワーユニットで50年までに全ての内燃機関の電動化を目指すトヨタにとって、基本戦略に誤算が生じたわけではない。だが、EV開発を急がねばならない事情が生じたことは否めない。

 EVのパートナーとしてマツダを選択したことは興味深い。「一括企画」「コモンアーキテクチャー」「モデルベース開発」といったマツダの3つの強みがEV開発に生かせるとトヨタが考えたと想像される。25年目線では、EV市場拡大は局地的な現象で、一気に市場を席巻することはないと、トヨタが見通しているともいえるだろう。

 EV世界販売が25年時点で400万~500万台と予想されている。この時点では、規模は相対的に小さく、多様性を持った多品種で少量生産のビジネスである。規模に慣らされたトヨタ開発陣にとって、得意領域とは必ずしも言えない。一方、マツダの強さは多品種・少量生産で強く発揮される。

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